シンポジウムに参加してきました。 *性暴力・児童虐待について*

昨日、鑑定を早く切り上げてユニセフのシンポジウムに参加してきました。
テーマは「守ろう子供の権利 STOP!子供ポルノ」です。


主にサイバースペース(携帯やPCのネット上)での性的搾取の問題が取り上げられました。
パネラーには、ECPATストップ子供買春の会・代表者様、警察庁少年課のかた、大手IT企業団体のかたも数社、参加されてました。


インターネット普及により激増した児童ポルノの被害者数は把握不可能であることが、まず挙げられました。
2001年にバンコクで発表された児童ポルノサイトは10万サイト。
そして2003年にイギリスで発表された数は更にその2倍・・・。

スウェーデンと台湾では反活動が活発であり、特に商業的児童ポルノがこの5年で4倍に激増しているスウェーデンではブロッキングシステムの開発にも力を注いでいるそうです。


サイト数だけでこの数ですよ。しかも報告があった物のみでです。
被害児の実際の数を考えると・・・そして単純にこれだけ供給されているということは需要がそれ以上にあるわけですから、サイト作成者に観覧と言う名の加害者の数は一体どれだけ存在しているのかと思うと、そのおぞましさに言葉が出ません。


カナダでは児童ポルノを所有・観覧しているだけでも法律違反で逮捕・罰せられますが、日本は知っての通り。
アキバ系とかメイドカフェとか呑気な事を言ってる場合じゃない。
おまけに児童買春のために海外旅行をするのも日本人が最多(世界各国の人口比率に対して)であり、
子供の人権を守る法律を’99年に改定し、日本は評価されてはいるものの、加害国として挙げられているのも日本。
同時にモバイルネット(携帯電話)は日本が最も先進し、被害率も勿論NO'1です。
昨日の講演中に、あるサイトでの映像や掲示板でのやり取りをスクリーンで見せられたのですが、思わず目を背けました。
狂気そのものだったからです。


「死刑になってもいいから、小学生を無理やり犯したい。誰か紹介してくれ〜」
この文字に脚色は一切ありません。
正直言って、会ったこともない文字の主に殺意が沸きました。私は間違ってますか?


シンポジウム終了後に、今回私に参加を誘って下さった方とお話しました。
「ああいう現実を察している人や体験者があんなスクリーンを見たら・・・。何もあそこまで見せなくていいのでは」
と言う私に対して返答して下さったのは、
「確かにそうですが認識の薄い社会には、あれ位のことを示さなければ解ってもらえないと思うんですよ。所詮は他人事で・・・。」


そうかもしれません。
参加パネラーの中にも「自分の会社の宣伝しに来たの?」というような人が居ましたが(わざわざカラーのパンフを配り、二言目には「当社は○○のシステムを導入してます。本当は経費がかかりますが無料でやってます」しか言わない頓珍漢な人が居ました。慈善事業ならぬ、偽善事業かと思いました・・・)、裁判官など法の執行者の認識の甘さも取り上げられていました。
有罪判決が出ても罰金刑や執行猶予付き。再犯は繰り返されるのに、被害児たちの傷みや地獄のケアが遅れすぎている。
示談も含めですが、お金で解決できる問題じゃないんです。
(私個人の考えですけれど、お金や物質や肩書きで解決出来ることなんて小さいです。形在るものは必ず壊れます。)


被害や犯罪は増え続けているのに、その比率もNO'1な日本。
それなのに被害後の子供へのケアがあまりに遅れ、何もなされていない日本。
風俗やアダルトDVDや雑誌などに出ている女性たちの半分以上が、何らかの虐待被害者であるという統計があるのをご存知でしょうか?


何事も自分ありきです。自分の身は自分で守らなくてはいけないと思います。
戦争がこの世から無くならないのと同じで、こうした子供への虐待が完全に消え去ることは無いのでしょう。天地がひっくり返るような奇跡でも起きない限り。


この日記を読んで下さった皆様へお願いしますm(−−)m
もし、ご自分のお子様が被害に遭ったら。
ご自分の大切な人が被害に遭ったら。
そうした視点で頭の片隅でも、この地獄のような現実を留めておいていただけたらと思います。


今日の最後に、全国性暴力被害者相互支援グループの代表者様がシンポジウムで出された意見書の1部を、抜粋掲載したいと思います。


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どうしてもお伝えしたい事があったので、この意見書を書かさせていただいております。
当グループは、性犯罪・性虐待の被害に遭った当事者の会で現在、被害者とその家族の計・約70名が在籍しています。
その他にもこの2年で数100件に及ぶ相談が寄せられました。


その中には性犯罪に巻き込まれた子供が被害時に写真や映像を撮られてしまったという話が数多くあります。
小さな子供の被害もあれば、10代の少年少女の被害もあります。
見知らぬ人からの被害もあれば、近親や知人からの被害もあります。
ただでさえ精神的なダメージの大きい性犯罪・性虐待ですが、写真や映像を撮られてしまった被害者は一生その恐怖と屈辱から逃れられません。


自分が写った映像が雑誌やネットで出回っているのでは無いか、自分が被害者であることを周りに気づかれるのでは無いかと怯えながら毎日を過ごしています。


  ・・・略・・・


事件から何10年経ってもこうした被害者は、来る日も来る日も新たに傷つけられ、性暴力を受け続けています。
それは拷問にも等しい苦しみです。
私たち被害者にとって、児童ポルノは「ポルノ」などでは無く、犯罪や虐待の現場を永久に残した心をズタズタにする凶器です。
  

こうした性被害の苦しみは、人種や国籍、性別や文化に関係なく、どんな人間にも共通したものだと思います。
児童ポルノは、存在し人目に触れること自体が紛れも無い性暴力で、人権を著しく損なうものです。
  

どうか、私たち被害者が少しでも安らかな日を取り戻す事ができるように、児童ポルノを厳しく規制して下さい。取り締まってください。名前も顔も出せずに苦しんでいる、大勢の被害者たちを助けて下さい。



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これまでにも度々いろんな場面で、「あっちゃんが考えることは重い」「歌おうとしてるテーマが重いし緊張する。」「暗い」などなど・・・言われて来ました。でも、これが在りのままの私です。


地獄が在るから、暗闇に居るから、人は灯りを光を求めるんだと思います。
そして、光は浴びるものではなく、発するもの。
サラのアルバムにも「アフターグロウ(後光)」ってタイトルがあるけど、本当にその通りだなと昨日つくづく感じました。
地獄に後光が射し込んで、世界が始まる。その土の上で産ぶ声を(光を)あげる。
逆に、浴びる光の足元は地獄の土だったかもしれない。


なんのライトも設備も肩書きも要らない。わたしはただ、声をあげていく。そんな生き方をするつもりです、これから。
歌い手としてもね。どこでも歌えますから。この声さえあれば。



今日の日記を最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました^^。
「関係者しか集まらないようなシンポジウムじゃなくて、もっと広い世間に訴えるべき問題だよ」
そんな我が戦友の言葉に押されて、思い切って書いてみました。