お姫様の夢

今朝みた夢に、幽閉された小さなお姫様が出て来た。
何年ぶりだろうか。



夢の中の彼女はだいたい4才くらいの風貌。
でも口調はきっと現在に近いものなのだろう。
私と似た系統の低い声で『のわちゃん…』と呼んだ。



海が見渡せる、憶えのある部屋。
『あたしはのわちゃんと違って、‘愛されない’とか‘憎まれる’ことに耐久性ないから』
彼女は言った。



私は『そうだね』とだけ答えた。



別に耐久性があるわけではない。
愛されず守られず憎まれる…ただ現実がそうだったというだけだ。
それが当然いや普通の日常で、その逆を知らなかっただけだ。



あれ以上の憎悪や怨みを知らない。
うっとおしさや軽蔑、そして怒りを覚えることはあっても、ちょっと憎しみや怨みを浴びせられても恐くない。
稚拙な遊び程度にしか感じない。



それくらい私は憎まれ虐げられていた。
耐久性ではなく、その場に置かれた者の必然で、ただ在っただけだ。