スフィンクス

彼が私の目の前に登場してくれてから、丸1年が経つ。
この時間はまだお腹の中でぐねぐね動いていた・・・
保育園入園早々、生まれて初めて風邪と発熱してしまい、昨夜からそれがぶり返しになってしまった。
でも、にこにこ笑顔。
不思議な言葉を話している。
「てってってってっ〜い」
いつもの可愛い声。
綺麗な笑顔。
            




出産予定日2日前に微弱陣痛を感じ、病院へ。
出産間近になると、主治医には担当してもらえないという奇妙なシステムの産院であることが、その日に判明。
何故か半ば強制的に入院〜そして予定日前日には陣痛促進剤も強制された。
それまで元気だった彼の心音が下がり、私も呼吸困難になり、帝王切開になった。
ただでさえ、こんな私のお腹に来ただけで大変な思いをしているというのに、生まれる前からヤブ医者に遭遇させてしまい心から申し訳なかった・・・
(後から調べたら、悪評高い院長であり尚且つ過去に問題を起こし全国的にもニュースになっていた。)
それなのに彼はとっても元気だった。
23時3分、夢みたいに綺麗な赤ちゃんが登場した。




今でもまだ信じられない。
「本当にこんな綺麗な子が私の中に居てくれたの?」と。
不思議で不思議で嘘みたいな事実が、今日もここに在る。
産んだなんて、おこがましくて言えない。
保育園でも、「ただいま」ではなく「お疲れ様」と迎えに行く。
私が仕事の間、彼はいつものように笑顔で協力してくれているからだ。
私のライフスタイルにも、保母さんたちの役割にも。
ほぼ泣かずに毎日にこにこ遊んで・・・昼寝をして・・・
待ってくれている。
迎えに行くと、嬉しそうにハイハイで近寄ってきて笑顔で私につかまり立ちをする。




ありがとう。
そんな風に側に来てくれて。
こんな私を選んで降りて来てくれて。
本当に、ただただ感謝しているよ。
君と共に在れる日まで、君と共に現実を戦いたい。
君の自由と笑顔のために。